前回の続きから
前回の記事で、知人が営むDJバーのWEBサイトを完成させたあと、ポートフォリオを作った話を書きました。
あの記事の最後には、こう書いています。
「収入も、まだゼロです」
「実際に『小さな商品』として売れるものを、一つ形にしてみる」
今回は、その「小さな商品」を実際に作ってみた話です。
結論から言うと、商品はひとまず形になりましたが、まだ一件も売れていません。
それでも、作ってみたからこそ分かったことがたくさんありました。
今回は、その過程を記録しておきたいと思います。
「できること」を並べても、商品にはならなかった
最初に考えたのは、
「自分にできることを並べれば、それが商品になるだろう」
ということでした。
- WordPressでサイトを作る
- デザインを整える
- スマホ表示を調整する
- AIを使いながら文章を考える
ところが、実際に並べてみると、それはただの「できることリスト」でした。
依頼する側から見れば、
「それで、結局何をお願いできるの?」
という状態です。
そこで、商品の中身を考えるときに意識したのが、
「今の自分に無理なくできること」
そして、
「完成した状態を、自分自身が具体的にイメージできること」
でした。
まずは、その範囲から始める。
今の自分には、それが大切だと思いました。
「できること」と「頼みたいこと」は、同じではありません。
商品を作るというのは、自分の「できること」を、相手の「困っていること」に合わせて組み直す作業なのだと感じました。
誰に、何を届ける商品なのか
次に考えたのが、
「誰に届けるのか」
ということでした。
いろいろと考えた結果、まずは小規模事業者の方を対象にすることにしました。
理由は二つあります。
一つは、最初の依頼主だった知人のDJバーが、まさに小規模事業者だったことです。
実際に関わった経験がある分、
「どんなことで困っているのか」
「どんなことを不安に感じているのか」
を想像しやすいと感じました。
もう一つは、将来的に中小企業診断士を目指していることです。
資格の勉強だけを続けるのではなく、今のうちから実際に小規模事業者の方と関わる経験を増やしていきたい。
そんな気持ちもありました。
そこで今回、最初の商品として考えたのが、小規模な店舗や個人事業主向けのWEBサイト制作です。
大規模なサイトを作るのではなく、まずはお店や事業のことをきちんと伝えられる、シンプルなホームページを想定しました。
たとえば、
- お店や事業の紹介
- 営業時間や料金などの基本情報
- サービスや商品の紹介
- アクセス情報
- お問い合わせへの導線
- スマートフォンで見たときの表示調整
といった、店舗サイトとして必要になる基本的な内容です。
最初に制作したDJバーのWEBサイトで経験したことを、そのまま次の仕事につなげられる形にしたいと考えました。
もちろん、今の自分にはまだ対応できないこともあります。
だからこそ、何でも引き受けるのではなく、
「今の自分が責任を持って完成までイメージできる範囲」
に絞ることにしました。
最初から大きな仕事を狙うのではなく、まずは小さく売ってみる。
いきなり大きな金額の案件を目指すよりも、小さな仕事を一つずつ、きちんと積み重ねていく方が、今の自分には合っていると思っています。
もう一度、「値段をつける」ことと向き合う
前回の記事では、料金について、
「内容に応じてご相談ください」
という形から始めることにした、と書きました。
ただ、実際に商品として形にしようとすると、それだけでは足りないと感じるようになりました。
「ご相談ください」だけでは、依頼する側も、
「結局、いくらくらいかかるのだろう」
と不安になるはずです。
そして、仕事に対して金額を示すということは、その金額に見合う仕事をする責任を持つ、ということでもあります。
なんとなく、
「これくらいでいいか」
というような、いい加減な気持ちでは仕事をしたくない。
そう考えて、今回は料金の目安を示すことにしました。
具体的には、制作するページ数や内容によって金額が変わることを前提にしながら、
「このくらいの内容なら、おおよそこの範囲」
と依頼する側がイメージできるように、ポートフォリオに料金の目安を載せました。
金額を書き込むときは、何度も手が止まりました。
正直、この金額が高いのか、安いのか。
今でもよく分かっていません。
作業時間だけで考えるべきなのか。
自分の経験の少なさを価格に反映させるべきなのか。
サーバーやツールなどの費用を、どこまで考えるべきなのか。
考え始めると、なかなか答えは出ませんでした。
それでも、分からないなりに一度決めてみる。
実際に依頼を受けて、必要な時間や作業量が分かってきたら、そのときにまた見直せばいい。
そう考えることにしました。
売るための準備も、「作るもの」だった
商品の中身と料金が決まれば、あとは待つだけ。
最初は、そんなふうに考えていました。
でも実際には、その先にも準備するものがありました。
そもそも私は、営業の経験がありません。
何を用意すればいいのかさえ分からない、ほとんどゼロからのスタートです。
そこで、
「もし明日、相談が来たら何が必要だろう」
と考え、試行錯誤しながら一つずつ作っていきました。
- 商品を知らせるための告知文
- 依頼を受けたときに使う提案書のひな型
- 最初の打ち合わせで確認する質問リスト
- 納品時に確認するチェックリスト
どれも、WEBサイトのように分かりやすく「完成品」として見えるものではありません。
でも、いざ相談をいただいたときに慌てないためには、必要なものばかりです。
特に質問リストを作ってみると、
「どんな雰囲気のサイトにしたいのか」
「誰に見てもらいたいのか」
「何を一番伝えたいのか」
「すでに使いたい写真や文章はあるのか」
など、制作を始める前に確認しておくべきことが思っていた以上に多いことにも気づきました。
ここで改めて感じたことがあります。
WEB制作の仕事は、サイトを作っている時間だけではありません。
- 相談を受ける
- 話を聞く
- 提案する
- 必要な素材を確認する
- 作業する
- 確認してもらう
- 修正する
- 納品する
その前後にも、たくさんの仕事があります。
これも、実際に自分で準備してみて初めて実感したことでした。
正直なところ、まだ一件も売れていない
ここまで準備してきましたが、正直に書いておきます。
商品は、まだ一件も売れていません。
収入も、まだゼロのままです。
ありがたいことに、相談をいただいている案件はあります。
ただ、まだ正式に決まったわけではありません。
商品を作れば、すぐに依頼が来る。
もちろん、そんな簡単な話ではありませんでした。
でも以前の自分には、そもそも、
「こういう仕事を引き受けることができます」
「こんなものを提供できます」
と、人に伝えられるものがありませんでした。
それに比べれば、少なくとも今は、
「小規模な店舗や個人事業主向けに、必要な情報を整理したシンプルなWEBサイトを制作できます」
と伝えられる状態にはなりました。
以前は、
「WordPressを勉強しています」
としか言えなかったものが、
「これを提供できます」
に変わった。
小さな変化ですが、自分の中ではかなり大きな一歩だと思っています。
まとめ・次の一歩
今回、小さな商品を作ってみて分かったのは、
「作れること」と「売れるもの」の間には、もう一つ段差がある
ということでした。
誰に向けたものなのか。
何をお願いできるのか。
どこまでやるのか。
いくらなのか。
頼まれたら、どのように進めるのか。
そうしたことを一つずつ言葉にして、ようやく「商品」と呼べる形になりました。
まだ売れてはいません。
それでも、以前よりは一歩進みました。
少なくとも今は、誰かに届けられるものがある。
次は、この商品を実際に誰かに届けるところまで進めてみたいと思います。
51歳から始めた副業への挑戦は、進むたびに新しい課題が出てきます。
でも、その一つひとつを経験すること自体が、今の自分には必要なのだと思っています。
引き続き、その過程もLIFE SHIFT NOTEに記録していきます。

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